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2018年02月17日 Archive

一酸化炭素

  • Posted by: Hachiro
  • 2018-02-17 Sat 08:08:52
  • 穂高
日に日に光が力強く感じられるようになってきました。
春が近いですね。

180216 流葉_056
(2018/02/16  流葉スキー場より 左から槍ヶ岳、笠ヶ岳、穂高連峰)




さて、山と人が関わるといろいろなリスクが生じます。
登山者が山での危険を回避するためには体力的あるいは技術的に身につけるべきことは数多く、その習得には多くの経験と修練が必要でありましょう。
しかし中には「知ってさえいれば」避けられるという危険もあるようです。

山でコンロを使用する際に、驚異的に早くお湯が沸く「ヒートエクスチェンジャー(付き鍋)」(あるいは「ヒートシンク」?)というのをご存知でしょうか。
熱交換を促進させるためのヒダヒダの金属パーツのついたヤツ、そう代表的な商品名でいうと「ジェットボイル」です。
詳しいリクツはともかく、その鍋底のヒダヒダのお陰で湯は早く沸くし燃料使用は抑えられるし低温にも強いというスグレモノで、コンロはぜったいガソリン派だった僕でも、近頃は日帰りや軽量化重視の際には重宝して使っています。
実際、湯を沸かすだけならホントに魔法のような短時間でことが済みますもの。

しかし、この「ヒートエクスチェンジャー鍋」は、ある条件下ではとんでもない事態を引き起こしてしまうようです。
先日にある実力派ガイドさんから聞いた話では、それにより彼は危うく命を落としかけたと言います。

それは一酸化炭素によるものです。

その時彼は降雪中のテント内で、炎が広がるタイプのガスコンロの上にヒートエクスチェンジャー付きのコッフェルを使って水作りをしていました。
同行者と軽くアルコールを酌み交わし「あれ? なんかこのサケ、えらい酔いが早いな…」と軽い頭痛を感じた次の瞬間には彼は意識を失ってしまっていたとのこと。
すぐに異変に気づいた同行者が彼を揺り起し、慌ててテント内の換気をして事なきを得たそうですが、あれがもしも単独だったら「自分は今ごろ何の苦痛もなくあの世行きでしたわー」とのことでした。

そもそも、この手の火器製品は「屋内での使用は禁止」とされています。
例えば、DUG(ダグ) HEAT-1 DG-1100という製品には、
DSC00262.jpg
と、でっかくハッキリと明記してもあります。

なので「してはいけません」ということをやってはダメでしょ⁈ ということなのです。
それはそうなのですが、僕はテント内でコンロを使うなんで雪山では当たり前(もちろん換気には気を使いますが)ですし、例えばガスボンベは他社製は使用するなと書いてあっても「使えりゃあエエやんか」とほとんど気にもしません。
それにジェットボイルをテントやツェルト内で使うなんてのもあたり前でした。
が、ここがミソなのですが、コンロの炎が直噴タイプではなく周囲に広がるタイプのものの場合、炎がヒートエクスチェンジャーのヒダヒダに直接あたることにより盛大に一酸化炭素が発生するらしいのです。
(なのでジェットボイル純正バーナーは直噴タイプですね)
つまりヒートシンク(ジェットボイルでは「フラックスリング」)のヒダヒダがついた鍋は、ガソリンコンロはほぼ全て炎が広がるタイプですからダメですし、ガスコンロでも炎の広がり方で注意が必要ということです。

さて一酸化炭素というのは無色・無臭で「中毒を自覚するのは難しく、危険を察知できずに死に至る場合が多い」というオソロシイもの。
つまりは「あれ? ヤバい⁈」と思った途端にアウトなのです。
先日の北陸豪雪の折に車中で救助を待っていた若者が死亡するという痛ましい一件がありました。
あのニュースを聞いて「車中で死ぬくらいなら、その前にもうちょっと何とかできんかったのか?」と実はチラッと思ったのですが、それが一酸化炭素によるものなら腑にも落ちます。
だから「排気口が雪に埋まるほどの状況下では、車中にいてエンジンをかけ続けてはならない」との知識を持ち、それはなぜなら一酸化炭素がかくも恐ろしいものだからと知っていたならと悔やまれるのです。



まぁそもそも「そうやって使うな」というものを、あえてテント内でというのですから何おかいわんやであるのですけれど。


以上、自分への戒めと自覚のため記すものです。
















































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