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2010年04月 Archive

ホワイトアウト

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-04-30 Fri 12:41:54
  • 穂高
今朝はかろうじて晴れました。

今朝の涸沢

涸沢にはテントがちらほら。
そして今シーズン最初の登山者の方が到着。

最初の登山者

しかし、その後急速に天候は悪化し9時頃には完全にホワイトアウト状態となりました。

ホワイトアウト

20名ほど登ってみえた方々は、みなさん奥穂登頂をあきらめ涸沢へ下山。
(この天候では、たとえ登頂できても下りでルートを失ってしまう可能性が高く危険です)

天気図上は目立った低気圧もないのですが、どうやら“寒気”が悪さをしているようです。
明日いっぱいはまだ寒気の通り道となっているようで、
安定した晴天となるのは2日からでしょうか。

いぜん気温の低い状態(今朝5時で-11℃)が続いており、まだ大きな雪崩はアズキ沢では発生していません。
今後気温が上がるとさらなる注意が必要です。


吹雪

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-04-29 Thu 20:34:55
  • 穂高
今日は朝から吹雪。
それもハンパじゃなく吹いていました。

降雪はほとんどなかったのですが舞った雪でまた玄関が半分ほど埋まってしまった。
で、また除雪。(玄関が埋まるのは今年3度目)

風雪の除雪

横尾~涸沢の通行禁止処置は今日午後1時に解除されましたが、
以前雪崩の危険がかなり高い状態が続いています。

寒気の影響はまだしばらく続くらしく、
下界では晴天でも山では雪となる日がまだありそうです。

早く安定した「春」になってくれえぃ。



穂高小屋のある「白出のコル」はもともと風の強い場所です。
まだまだ冬の気配がのこる4月の小屋開けの頃、
窓にゴーゴーと吹き寄せる西風はときおり大きな空気の固まりとなって小屋にぶちあたり、
建物をビリビリと揺らすほどにもなります。
そんな風の音を布団の中で聞いていると「あぁ、今年も穂高に来てしまったんやなぁ」と感じます。 
(昔はサッシの構造があまり良くなかったのか、朝起きてみると枕元に吹き込んできた雪が積もっていて驚かされたことがあります。)
  
『山の風は山の息遣いであり、大きな存在として生きている証拠であり、また風は山の感情の表現の手段でもある』  
と串田孫一さんは記しておられますが、そんな「山の感情」を表現したくて風を撮すことには執着しています。
山が本気で荒れたときに吹く風はたやすく人の命を奪ってしまう力をもっていますが、
だからこそ大自然への畏怖を感じるし、それを美しいと思うのです。

以下の映像は12月の撮影ですが、
今日の風はこれくらい(いや、もっと凄かった)吹いていました。



もっともほんとうに凄いときはとても撮影なんか出来ない。

でも、
こうして穂高が「本気」を見せた後には素晴らしい風景(文字通り“風”の景色)が見られたりもします。

明日の好天を期待して。



今年もスタート

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-04-28 Wed 21:49:47
  • 穂高
このブログは動画をご覧いただくのをポリシーとしておりますが、
何かと通信状況が悪く、動画のアップはハードルが高い状態です。
そこで今回は写真のみでごかんべんを。

先ずは2010年4月24日撮影の涸沢岳よりのパノラマです。
涸沢岳より


今月中旬に山へ入って以来約2週間。
連日の除雪など小屋開けの準備を進め、穂高岳山荘は本日2010年度の営業を開始しました。

営業開始した穂高岳山荘

いやぁ~ 今年は雪が多い。
おまけに寒い日がつづいて雪はガチガチ。
その締まった雪面に昨日から今朝にかけて約50センチの積雪がありました。
で、当然のごとく今日午後はあちこちで雪崩が頻発しています。

その影響で横尾~涸沢のルートは現在長野県警により通行禁止となっています。
(天候次第ですがおそらく今日中には解除の見込み)

例年事故の多い奥穂の雪壁もこんな状態でべったり雪です。

奥穂の雪壁

どうやら連休中は天候も安定しそうですが、雪のコンディションは千変万化します。

くれぐれもお気をつけてお越しください。


いってきます

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-04-15 Thu 05:04:37
  • 穂高
これから山へ入ります。

今年は涸沢の映像もつくることになり、
その撮影の関係で今日おこなわれる涸沢ヒュッテの小屋開けに同行します。
その後18日には涸沢から白出のコルへと移動し、穂高岳山荘の小屋開け。
ですのでたぶん20日ごろまではパソコンにさわることは出来ないと思いますので、
しばらくブログの更新やコメントへの返信は行えません。
よろしくご了承ください。




(2004年の小屋開け頃の映像で、この年はこれで雪が少ないほうです)



僕たち“小屋番”にとって今日はさしずめ山の正月。
気持ちを新たに、
穂高へ訪れる方々がすこしでも多く笑顔になれるよう、
気合いを入れていこうと思います。



僕を生かしてくれている、穂高への感謝を胸に抱きつつ








もしもおまへが
よくきいてくれ
ひとりのやさしい娘をおもふやうになるそのとき
おまへに無数の影と光の像があらはれる
おまへはそれを音にするのだ
みんなが町で暮したり一日あそんでゐるときに
おまへはひとりであの石原の草を刈る
そのさびしさでおまへは音をつくるのだ
多くの侮辱や窮乏のそれらを噛んで歌ふのだ
もしも楽器がなかったら
いいかおまへはおれの弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいい

(宮沢賢治 『告別』より)






夜の夢

  • Posted by: Hachiro
  • 2010-04-11 Sun 08:45:51
  • 穂高

(前穂北尾根八峰より)

先日行ってきた北尾根よりの映像をアップします。

日没後の薄明の空が徐々にその色を変えていきます。
やがてひとつふたつと星が煌めき、シリウスなど冬の星々が西の空を賑わしはじめます。
その主役である「オリオン座」が奥穂の稜線に沈むと、
昇ってきた月齢19の月が、未だ冬のよそおいの穂高を青白く浮かび上がらせてきました。
稜線から舞い上がる雪煙が涸沢の雪面に影をゆらしています。
それはまるで穂高が早春のまどろみにみている夢のかたちのようです。
夜明けの薄明が始まると星や月の影が少しずつうすれてゆき、
月が天頂ちかく昇るころ、山の雪肌はモルゲンロートに輝きはじめたのでした。



昨年から、これまでビデオでは困難だった夜の世界を撮っています。
それは近年の「デジタル一眼レフカメラ」の高感度化が可能とした撮影手法なのですが、
スチールカメラで連続して撮った画像をつなげることで動画としています。
これは撮った画像をパソコンで処理することでようやく映像として見られるようになります。
撮ることそのものに対しては、撮影地へ行くのにヘロヘロになったり酷寒の現場で凍えたり、それなりの苦労はあってもまぁ耐えられる。
ただどうしようもなく消耗するのは、撮ったものを映像化するデスクワークでありまして、パソコンの知識に疎い僕は自分のやりたいことがなかなか思うようにできず身もだえしてしまいます。
正直いってこの映像も元のクオリティはもっと高いはずなのですが今の僕のスキルではここまで。
さらなる精進が必要なようです。


「夜明け」というものを“夜”から“朝”までつぶさに眺めたことがあります。
それは遭難救助に出かけて前穂北尾根でやむを得ずピバークとなったときのことで、もう初雪も近い9月半ば頃のことでした。
冷たい雨の中で行動不能となった遭難者達を何とか見つけることはできたものの、防寒具やツェルトを彼等に与えた我々は着の身着のまま狭いテラスで座ったまま夜を迎えることとなったのです。
寒さにまんじりともせずいるうちに、気がつけば雨はすっかり上がり満天の星空。
月はなく、足下は前穂東壁がすっぱりと切れ落ちた漆黒の闇で、何やら吸い込まれそうな気さえしてきます。
冷え込みがだんだんと厳しくなるなか、そうそう体勢を変えるわけにもゆかずじっとしていると、脇にいる相棒の温もりがヤッケ越しにほのかに伝わってきました。
そうやって過ごした夜はほんとうに長かった。
何度も時計に目をおとしながら、それでもぼぉっと星空をながめていました。
するとだんだん自分が岩壁の中にいるという感覚がなくなってきて、まるで宙に浮いているような、串田さんいうところの“空というより宇宙と向かい合っている気持ち”みたいになったのです。
星々の煌めく夜空の色が黒からやがて群青色を帯びはじめ、少しずつ少しずつ星の数が減ってゆく。
それと反するように東の地平がほのかに色づきはじめてきます。
その、まるで時間が止まったかのようななかで、それでも確実に夜が明けてゆくのをただただ見つめつづけたのでした。
そしてついに地平線からの御来光を拝んだのは、収容にきてくれたヘリにぶら下がりながらのことでした。
(「光の五線譜」ライナーノートより)


上記は2006年に作ったDVDに添えた文章ですが、
ずっとこの「夜~朝」へのうつろいを表現したいと思っていました。
今回の映像はそのひとつのかたちということです。



ー世界はこの彩った光を地球に向かって投げかけながら、何かを知らせているー    串田孫一

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